ヒスチジンによるミオシンの水溶化現象をモデルとして、ヒスチジンとミオシンとの相互作用の確認および相互作用によるミオシンの構造変化を確認することで、イミダゾール化合物のタンパク質への作用について明らかにすることを目的とした。 ミオシンの水溶化は、金属イオンや塩基性アミノ酸などの陽イオン化合物の添加により濃度依存的に阻害された。特に金属イオンの場合低濃度の添加においても著しく水溶化が阻害された。ミオシンC末端領域のタンパク質断片を用いた検討では、水溶化条件下において表面電荷が変化することが示された。ヒスチジンの存在によってミオシンC末端領域に電荷の変化が生じ、その結果水溶化されることが示唆された。
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