若い個体を早期に選抜するゲノミック評価は、乳用牛の世代間隔を大幅に短縮させたが、若い父母等、実データのない祖先をリファレンス集団(評価のベースとなる祖先集団)に含まないことによる評価精度の低下が問題となる。そこで、リファレンス集団の祖先情報が欠損した個体のゲノミック評価値に生じるバイアス(真の遺伝的能力からのズレ)を検証した。 乳用牛集団を模した仮想データにより、リファレンス集団に父牛を含む個体と含まない個体のゲノミック評価値のバイアスを比較したところ、選抜された能力では父牛情報が欠損した個体のゲノミック評価値のバイアスが大きくなり、リファレンス集団が小さいほど顕著であることが明らかとなった。
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