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2019 年度 実施状況報告書

脂質輸送機構を介したアルボウイルスの節足動物内輸送と垂直感染機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K14576
研究機関岐阜大学

研究代表者

西山 祥子  岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (90817058)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード節足動物媒介性ウイルス / 垂直感染 / ラクロスウイルス
研究実績の概要

脂質は節足動物の主要栄養素であると同時に節足動物媒介性ウイルス(アルボウイルス)を構成する成分でもある。このため、蚊の脂質を輸送する蛋白質がアルボウイルスの感染に関わっていると仮定した。
蚊に2本鎖RNAを導入することにより、標的となる遺伝子をノックダウンする事が可能である。上記の仮説を検証するため脂質輸送蛋白質をノックダウンした蚊にウイルスを感染させ、アルボウイルスの感染率や垂直感染率に与える影響を解析する。このシステムを利用し、蚊の脂質輸送蛋白質がアルボウイルスの感染に果たす役割を解明し、垂直感染メカニズムを明らかにする事を目的とする。
本年度は生体の蚊での遺伝子ノックダウン法の確立とそのために用いる2本鎖RNAの投与量の条件検討を行った。その結果、生体蚊(ネッタイシマカ)に2本鎖RNAを導入することで遺伝子をノックダウンできることが明らかとなった。さらに多量の2本鎖RNAを導入すると蚊の吸血欲が低下することが分かった。次に蚊でのノックダウンの持続時間を検証した。結果として蚊の寿命に相当する期間、遺伝子のノックダウンが持続することが明らかになった。さらに、この系を用いて、脂質輸送蛋白質をノックダウンした蚊に人工吸血装置を用いてラクロスウイルスを感染させ、産卵率を評価した。その結果、アポリポ蛋白質をノックダウンした蚊では産卵率の減少が認められた一方、ヴィテロジェニン蛋白質をノックダウンした蚊では産卵率の減少は認められなかった。現在、産卵、及び幼虫を解析し、ラクロスウイルスの垂直感染率を解析中である。また、現在、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカの2種類の蚊を用いて、垂直感染率の違いを解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

岐阜大学で大規模改修工事があり、現在の建物まで引越しを行ったため、ラボを数ヶ月停止することになった。
新型コロナウイルスの流行により、大学が1ヶ月停止した。
また実験では遺伝子ノックダウン蚊の産卵率が低かったこと。垂直感染率がかなり低く出たため、さらなる条件検討が必要であると考えている。

今後の研究の推進方策

幼虫、または卵からのウイルス検出法を確立したいと考えている。この系が確立した際は多様な遺伝子をノックダウンし、ウイルスの垂直感染に関わる遺伝子を解析したいと考えている。
また、ネッタイシマカとヒトスジシマカを用いて、種の違いでの垂直感染の違いを解析したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

実験の進行が予定よりも遅かったため、今年度も実験を行う必要があるため。
岐阜大学で大規模改修工事があり、現在の建物まで引越しを行ったため、ラボを数ヶ月停止することになった。
新型コロナウイルスの流行により、大学が1ヶ月停止した。
また実験では遺伝子ノックダウン蚊の産卵率が低かったこと。垂直感染率がかなり低く出たため、さらなる条件検討が必要であると考えている。

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公開日: 2021-01-27  

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