研究課題
若手研究
体内で任意の形状の移植用組織体を作製する「生体内組織形成術」にて犬のバイオシートおよびバイオチューブを作製し、膀胱および尿管への移植評価を行った。バイオシートおよびバイオチューブともに移植手術中に縫合による亀裂や損傷は認められず、移植操作性は良好であった。画像検査にて、バイオチューブは移植後3週目までに閉塞を認めた。一方、バイオシートは移植後12週目まで膀胱壁の破綻、石灰化および結石形成は認められず、組織学的検査にて、粘膜面が移行上皮により被覆され、αSMA陽性細胞が認められた。
獣医外科学
生体内組織形成術にて作製した移植用組織体は、サイズや形状の自由度が高く、比較的安価に提供できることから、伴侶動物の泌尿器治療に応用できる可能性がある。本研究では、自己の細胞やマトリックスから構成されたバイオシートおよびバイオチューブが、膀胱および尿管において良好な移植操作性を有することを示した。またバイオシートは伴侶動物の膀胱再建において、経済性に優れた移植用組織体となり得る可能性を示した。