研究課題/領域番号 |
18K14599
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
谷口 怜 国立感染症研究所, ウイルス第一部, 主任研究官 (60734465)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | モデル動物 / ジカウイルス / 妊娠 / マーモセット |
研究成果の概要 |
2016年のジカウイルス感染症の流行は、胎児における小頭症の発生やギランバレー症候群との関係性が疑われ、また性行為による感染の可能性により社会的インパクトを与えた。本研究ではジカウイルスの胎児における病原性発現機構の解析のため、マーモセットを用いて、妊娠感染モデル動物の確立及びその病態解析をおこなった。その結果、妊娠マーモセットにジカウイルス感染が生じると流産が惹起され、その妊娠に関連した母体及び胎仔組織では非常に多いウイルス遺伝子が検出されることが明らかとなった。また、その他にCas9恒常発現細胞を作製した。今後、ジカウイルス等のウイルス受容体の網羅的探索のためのツールとなると考えられる。
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自由記述の分野 |
獣医学、ウイルス学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マウスを用いたジカウイルスの妊娠感染モデルは多く報告されているが、より詳細な解析を行う上では、よりヒトに近い霊長類の妊娠感染モデルの確立が好ましい。旧世界ザルを用いた感染モデルの報告もあるが、一度に多くの感染動物を扱えないこと、妊娠期間が長期に及ぶこと、妊娠適齢個体を用意することの難しさから適切な動物モデルとは言い難い。その点、マーモセットは小型で取り扱いが容易であり、妊娠期間も他の霊長類と比較して短いことからマーモセットを用いたジカウイルスの妊娠感染モデルが確立されたことは意義深い。また、様々な種のCas-9恒常発現細胞を作製したことは今後のウイルス受容体研究に非常に役に立つと考えている。
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