研究課題/領域番号 |
18K14619
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
加藤 弘毅 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 動物実験施設, 助教 (30771026)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 食塩感受性高血圧症 / Dahlラット / 頚動脈小体 / カテコールアミン / 免疫組織化学 |
研究実績の概要 |
本年度は、食塩感受性高血圧症モデルのDahlラットを用い、頚動脈小体におけるカテコールアミン合成酵素の免疫反応性を検索した。動物は、Dahl salt-sensitiveラット(DSS)及び対照動物であるDahl salt-resistantラット(DSR)を用いた。DSSについては、7週齢から11週齢まで8%NaClを含んだ高食塩食(HSD)を給餌する群(DSS-HSD群)と通常食(ND)を給餌する群(DSS-ND群)を設定し、DSRについては、NDを給餌する群(DSR-ND群)を設定した。給餌中は、体重測定とtail-cuff法による血圧・心拍数測定を週1回実施した。11週齢時点で頚動脈小体を採材し、カテコールアミン合成の律速酵素であるチロシン水酸化酵素(TH)及びノルアドレナリン合成酵素であるドーパミンβ-水酸化酵素(DBH)の免疫反応性を検索した。体重は、全群で週齢とともに増加した。心拍数の推移には、各群で明瞭な差を認めなかった。平均血圧は、11週齢時点において、DSS-HSD群は169.7±12.3mmHg、DSS-ND群は108.9±5.3mmHg、DSR-ND群は96.5±5.8mmHgであり、DSSにおいてHSD給餌により高血圧が誘発されることを確認した。免疫組織学的解析では、頚動脈小体のグロムス細胞におけるTHとDBHの免疫反応性は、DSR-ND群に比べ、DSS-HSD群・DSS-ND群は弱まる傾向にあった。以上の結果から、Dahlラットでは、頚動脈小体のグロムス細胞においてカテコールアミン発現が低下していることが示唆された。 また、本研究と関連した研究課題である持続的低酸素が誘起する呼吸循環応答への二酸化炭素の影響に関する研究成果がRespiratory Physiology & Neurobiology誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在得られているDahlラットの所見について、特に免疫組織学的解析は統計解析を実施するには例数が不十分のため、データ収集を進めていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、Dahlラットの頚動脈小体における免疫組織学的解析を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症流行の影響により、十分な研究を行うことができなかったため、物品費の残額が生じた。 残額は、次年度の物品費に使用する。
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