2020 年度研究成果報告書

テロメアの伸長抑制に関わるTLS蛋白質による四重鎖核酸認識の構造基盤解明

研究課題

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研究課題/領域番号	18K14636
研究種目	若手研究
配分区分	基金
審査区分	小区分43020:構造生物化学関連
研究機関	京都大学
研究代表者	近藤敬子京都大学, エネルギー理工学研究所, 研究員 (00707474)
研究期間 (年度)	2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード	NMR / 四重鎖核酸 / 核酸結合蛋白質 / 天然変性蛋白質
研究成果の概要	Translocated in liposarcoma蛋白質 (TLS)と四重鎖核酸との結合に関し、Phe残基あるいはTyr残基の周囲にRGGモチーフを持つTLSの部分配列が、テロメアDNAにおいてはグアニンテトラッドとその上に張り出したループ構造、TERRAにおいてはグアニンテトラッドが結合に関与することを見出した。また、TLSの部分配列ペプチドが、テロメアDNAとTERRAのDNA-RNAハイブリッド四重鎖に対しても結合能を有することを示唆する結果を得た。加えて、テロメアDNAやTERRAの結合が、TLSにN端とC端が閉じた構造から開いた構造への変化をもたらすことを示した。
自由記述の分野	構造生物学
研究成果の学術的意義や社会的意義	TLSは細胞核内において遺伝子発現制御をはじめとする種々の制御に関与する核酸結合蛋白質であり、その機能不全は神経疾患をもたらすことも知られている。しかし、その核酸結合の機構は十分には明らかにされていない。本研究において得られたTLSと四重鎖核酸との結合に関する知見、および核酸との結合がTLSに構造変化をもたらすという知見は、生体内におけるTLSの機能を解明し、遺伝子発現制御などの普遍的な生命現象への理解を深めることに繋がる。