概日時計は約1日周期の概日リズムを生み出す原動力である。24時間型社会と呼ばれる現代社会では夜間においても強い光に曝露され、体内リズムと外界の明暗サイクルとの間にズレが生じやすい。概日リズム障害の治療として光療法は安全かつ簡便で、極めて有効なツールである。そのため、概日時計に入力する光応答機構を理解することは概日リズム障害の発症機序の解明とその解決に不可欠であるが、視覚情報を伴わない非視覚光受容の分子的な理解は遅れている。本研究は、哺乳類において新たにCRYタンパク質が非視覚光受容に必須であることを示し、その分子メカニズムに迫ったものであり、概日リズム障害の治療という観点でも極めて重要である。
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