全反射顕微鏡下、蛍光タンパク質で標識した分泌顆粒を有する膵β細胞を観測すると、細胞膜上に局在する顆粒からの開口放出以外に、細胞内部より細胞膜直下に動員され、そのまま迅速に膜融合する顆粒の開口放出が認められる。本研究では、単量体GTPase Rab27のエフェクター・タンパク質Melanophilinを欠く膵β細胞で、このタイプの開口放出が特異的に減少することを明らかにした。Melanophilinは、分泌刺激後の細胞内Ca2+上昇に反応して、皮質アクチン網内のMyosin-5aより解離し、代わりに細胞膜上の活性型Syntaxin-4と結合して、上記タイプの開口放出を仲介することがわかった。
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