研究課題/領域番号 |
18K14658
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
塚本 卓 北海道大学, 先端生命科学研究院, 助教 (30744271)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 光受容体 / ロドプシン / イオンチャネル / フラッシュフォトリシス / オプトジェネティクス / 構造変化 / 速度論的解析 |
研究実績の概要 |
本研究では、アニオンポンプ型およびアニオンチャネル型ロドプシンをモデルとし、「ポンプ」と「チャネル」という異なる輸送方式を決定する要因を解明する。
平成30年度は、分光学的手法により、アニオンチャネル型ロドプシンの分子機構を調査した。他の研究グループが行った先行研究と異なり、我々はアニオンチャネル型ロドプシンが、光反応前の初期状態においてすでにアニオンを結合していることを初めて明らかにした。さらに、アニオンの濃度に依存して、チャネル開閉機能が顕著に変化することがわかった。特に、高いアニオン濃度存在下では、チャネル開口状態の寿命がおよそ10倍長くなることを明らかにした。これは、チャネル開口状態の構造に、アニオンが選択的に結合することで、チャネル閉口を妨げることが原因であると予想した。アニオンチャネル型ロドプシンのチャネル開閉が素早いという性質は、オプトジェネティクスによる正確な神経抑制作用にとって重要なものである。我々の成果によって、塩濃度の影響を受けないアニオンチャネル型ロドプシンの設計が必要である可能性を示すことができた。
同時に、アニオンチャネル型ロドプシンのチャネル開閉のキネティクスに重要なアミノ酸に着目し、新規分子の探索および発現系の構築を行った。分光測定から、新たなオプトジェネティクス・ツール分子となりうる興味深い性質が明らかになってきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アニオンチャネル型ロドプシンについて、その分子機能を明らかにした成果を、国内外の学会および論文として発表することができた。ロドプシンの探索および発現系構築により、興味深い性質を持つアニオンチャネル型ロドプシンを発見するに至った。 一方、アニオンポンプ型ロドプシンについては、未だ良好な結果は得られていない。アニオンポンプのアニオンチャネル化に向けて、変異導入および活性測定をする必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
新規アニオンチャネル型ロドプシンの分子機能の解析を行う。 アニオンポンプ型ロドプシンのアニオンチャネル化に向けて、変異導入および活性測定を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
設備品および消耗品は計画的に購入できた。未使用額が生じたのは、無用な執行は行わず、次年度の研究に役立てようと考えたためである。
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