独自に構築した全反射減衰テラヘルツ時間領域分光測定系を用いてin vivoでヘアレスマウス中の水分子ダイナミクスを解析した結果,生細胞中と死細胞中ではバルク水:水和水の存在比率が有意に異なっていることが見出された.これは生体高分子の機能発現に直接関与する水和水と,増大するエントロピーの受け皿としてはたらくバルク水の絶妙なバランスが生命活動を下支えしていることを示唆するものである.また,外的影響として純水と化粧水をマウスに塗布したところ,構成成分中に占めるバルク水割合の少ない化粧水のほうが生細胞・死細胞両方に対してより高いバルク水の供給能力を示すことが明らかになった.
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