研究課題
若手研究
試験管内に時計タンパク質由来のミニマムなリン酸化振動子の構成を行った。この目標を達成するために、1) CKIの脱リン酸化活性を向上させるペプチドの探索、2)試験管内のリン酸化振動条件の最適化を行った。試験管内のリン酸化振動は周期性が存在しているが、振幅が小さかった。従ってタンパク質レベルでのリン酸化振動の構成を試みた。時計タンパク質はバキュロウイルスを用いた昆虫細胞系で行い、時計タンパク質の精製に成功した。
生物有機化学
生物時計の研究中心は細胞・個体といった複雑な高次の階層における漠然とした理解であるため、原理の本質である分子レベルの解明に踏み込むことは難しい。本研究はリン酸化振動子に必須な要素の同定、定量的なリン酸化測定に基づく酵素反応の速度論的な解析に加えてin vitroでのリン酸化振動子の再構成・設計・制御による合成生物学的なアプローチを相補的に用いる点に学術的な価値がある。概日時計の本質の理解は24時間リズムに伴う睡眠や代謝などの生理現象の理解に直結するため社会的意義が大きい。