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2020 年度 実績報告書

植物ゲノムを支える遺伝的冗長性を解析する技術基盤

研究課題

研究課題/領域番号 18K14678
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

菅野 茂夫  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (60726313)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードゲノム編集 / 植物 / タンデム重複 / DNA修復
研究実績の概要

植物のゲノムの特徴の一つに,タンデム重複遺伝子が多いことが挙げられる.本研究では,そのタンデム重複遺伝子の機能を解析するための技術基盤を,特にゲノム編集技術に着目して構築することを目指した.まず,CRISPR/Cas9を利用してタンデム重複遺伝子を欠失させるために,各遺伝子について自動で欠失用のgRNAを設計するプログラムを作製した(石野ら・第59回植物生理学会年会).本プログラムは,シロイヌナズナだけでなくゼニゴケやトマトなど様々な生物に活用できるように作成した(日本植物学会第82回大会・田井ら).このプログラムを用いてgRNAを複数本自動設計したのち,その複数のgRNAをPolycistronic tRNA gRNA system (以下PTGS)で連結させるプロトコルを確立した.本プロトコルを活用して,システインリッチペプチドをコードする遺伝子を中心として,欠失用ベクターを構築,形質転換シロイヌナズナを作出した.野生株ではなく,非相同末端結合修復経路が阻害されているlig4変異体を親株にした形質転換体では高効率に欠失株を作出できることを見出した.名古屋大学・田畑亮博士との共同研究により,システインリッチペプチドをコードする遺伝子群のうち,ある特定のクラスターが鉄イオン欠乏に対する応答性に関与することが分かった.加えて,本技術を様々な種に適用できるように,ヒユ科(ホウレンソウ・キノア・サトウダイコン)におけるインフィルトレーション法も構築した.ホウレンソウにおいては,今まで報告されていなかった一過的ゲノム編集に成功した(田井ら・第61回植物生理学会年会).以上のことから,陸上植物全般においてタンデム重複遺伝子の欠失株を作出する技術基盤が構築できたと考えている.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Manganese Treatment Alleviates Zinc Deficiency Symptoms in Arabidopsis Seedlings2020

    • 著者名/発表者名
      Nakayama Sayuri、Sugano Shigeo S、Hirokawa Haruna、Mori Izumi C、Daimon Hiroyuki、Kimura Sachie、Fukao Yoichiro
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 61 ページ: 1711~1723

    • DOI

      10.1093/pcp/pcaa094

  • [雑誌論文] Higher Stomatal Density Improves Photosynthetic Induction and Biomass Production in Arabidopsis Under Fluctuating Light2020

    • 著者名/発表者名
      Sakoda Kazuma、Yamori Wataru、Shimada Tomoo、Sugano Shigeo S.、Hara-Nishimura Ikuko、Tanaka Yu
    • 雑誌名

      Frontiers in Plant Science

      巻: 11 ページ: 589603~589603

    • DOI

      10.3389/fpls.2020.589603

  • [学会発表] シロイヌナズナにおけるプライムエディター法の検討2021

    • 著者名/発表者名
      菅野茂夫,中村彰良,江面健太郎,坂本真吾,光田展隆
    • 学会等名
      第62回日本植物生理学会年会

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公開日: 2021-12-27  

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