研究課題/領域番号 |
18K14684
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
武田 淳一 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (60625672)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | SNVの表現型・機能予測ツール |
研究実績の概要 |
本年度は、ミスセンスSNVの病因性予測ツール(InMeRF)を完成させ(https://www.med.nagoya-u.ac.jp/neurogenetics/InMeRF/index.html)、このツールの筆頭著者論文を投稿した。共著者論文については、2つ報告した。なお、本研究の目的は、ミスセンスSNVの病因性予測ツール、エクソン上のSNVのスプライシング効果(ESE/ESS)予測ツールおよびSNVによる偽エクソン(pseudoexon)活性化予測ツールの3つのツール開発を行い、さらにこれらの統合ツールを開発することである。研究実施計画では、本年度中に3つのツール開発を終わらせる予定であったが、完成したのはミスセンスSNVの病因性予測ツールのみであった。ただし、エクソン上のSNVのスプライシング効果予測ツールおよびSNVによる偽エクソン活性化予測ツールについては、特徴量を自動で抽出するパイプラインを構築し、予備的な機械学習モデルを作成した。これらのツールと、研究代表者の所属するグループがすでに構築した5’/3’スプライスサイト周辺配列のSNVのスプライシング効果予測ツールであるSD-ScoreおよびIntSplice(https://www.med.nagoya-u.ac.jp/neurogenetics/SD_Score/sd_score.htmlおよびhttps://www.med.nagoya-u.ac.jp/neurogenetics/IntSplice/index.php)とを合わせて、網羅的なSNVの機能・表現型予測ツールを完成させることにより、基礎および疾患ゲノム研究の進展に少なからず影響を及ぼすと考えられるため、なるべく早い完成を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、ミスセンスSNVの病因性予測ツール、エクソン上のSNVのスプライシング効果予測ツールおよびSNVによる偽エクソン活性化予測ツールの3つのツールを完成させるつもりであったが、ミスセンスSNVの病因性予測ツールの構築、および論文作成と投稿に時間がかかり、他の2つのツール開発にあまり時間をかけることができなかった。また、Linuxサーバーの運営に関するトラブルによるツール開発時間の減少なども、予定通りに進まなかった原因の一つであった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策については、エクソン上のSNVのスプライシング効果予測ツールおよびSNVによる偽エクソン活性化予測ツールを完成させ、同時に論文を作成して投稿する。これらのツールについては、すでに特徴量を自動で抽出するパイプラインを構築し、予備的な機械学習モデルを作成している。今後はトレーニングデータを精査し、より精度の高いモデルを構築する予定である。また、来年度に新規のLinuxサーバーを購入し、ツール開発の効率化も進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ミスセンスSNVの病因性予測ツールの構築および論文作成に想定以上の時間を要したため、当初予定していたエクソン上のSNVのスプライシング効果予測ツールおよびSNVによる偽エクソン活性化予測ツールの、今年度中での完成までには至らなかった。これらのツールの構築、およびその論文の作成と投稿を、今年度中に行うものとする。
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