本年度は、アミノ酸の非同義置換(ミスセンス)を引き起こすSNVの病因性予測ツールInMeRF(https://www.med.nagoya-u.ac.jp/neurogenetics/InMeRF/)の筆頭著者論文を報告した(NAR Genom Bioinform. 2020 May 26;2(2):lqaa038)。また、イントロン3’端-50~-3bpに位置するSNVの病因性予測ツールIntSplice(https://www.med.nagoya-u.ac.jp/neurogenetics/IntSplice/)のアップデート版であるIntSplice2(https://www.med.nagoya-u.ac.jp/neurogenetics/IntSplice2/)の筆頭著者論文を投稿した。他に、共著者論文については2つ報告し、ポスター発表(海外の学会だが、コロナ対策のためのバーチャルプラットフォームによるオンライン発表)を1回行った。研究期間全体としては、筆頭著者論文1報と共著論文3報を報告し、ポスター発表を3回行った(海外1回、国内2回)。本研究の目的は、1. ミスセンスSNVの病因性予測ツール開発、2. エクソン上のSNVのスプライシング効果予測ツール開発、3. SNVによる偽エクソン(pseudoexon)活性化予測ツールの開発を行い、4. SNVの病因性を予測する統合環境を構築することである。この中で、達成できた成果は1. ミスセンスSNVの病因性予測ツール開発であり、2.、3.および4.については、開発途中に留まった。2.と3.については、トレーニングデータを作成し予測モデルの調整を行っているところなので、これらを完成させ、最終的に4.まで行う予定である。
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