生殖過程の分子機構の研究が遅れているアオサ藻綱を材料とし、配偶子の相互認識や融合に関与するタンパク質を探索した。RNA-seqおよびプロテオーム解析から(1)配偶子形成過程の発現遺伝子カタログ、(2)雌雄配偶子、二本鞭毛性遊走子の鞭毛タンパク質、細胞膜タンパク質のカタログを作成し、GCS1やGEX2といった陸上植物で受精に関与する遺伝子が検出された。さらに、遺伝子機能の解析が困難であったアオサ藻綱における(3)Crispr-Cas9の実験系を構築することに成功し、(4)GEX2のホモログの欠損変異体を作出したところ、受精率の著しい低下が観察され、受精に関与する遺伝子を見出すことができた。
|