オートファゴソーム形成時における隔離膜の膜動態を説明する数理モデルを構築した。膜の高曲率を安定化させる曲率因子を想定し、隔離膜の成長に伴う膜形態変化ダイナミクスに与える影響について、数理モデルを用いて解析した。その結果、曲率因子がディスク状の隔離膜の最も膜曲率が大きい部分(エッジ)に自発的に局在し、ディスク状の隔離膜を安定化させていることを示した。さらに、隔離膜の成長に伴い曲率因子の分布が変化し、この分布の変化が中間状態のカップ状の形態を安定化させ、隔離膜の成長を安定化させていることを示した。理論モデルの予測は、生細胞ライブイメージングで得られた隔離膜の形態変化と定量的に一致する。
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