小胞体はチューブルやシートなどの形態的に極めて異なる膜ドメインで構成される。小胞体の機能の一つとして脂肪酸の代謝反応があるが、脂肪酸代謝の小胞体形態形成における機能はよく分かっていない。本研究では、小胞体において脂肪酸を伸ばす酵素の一つ (TER) がCa2+ポンプ (SERCA2b) と直接結合すること、TERがSERCA2bの活性を抑制して小胞体内のCa2+量を減少させること、TERが細胞質のCa2+シグナルを持続させることを見出した。Ca2+は小胞体チューブル形態の制御因子であることから、TERがCa2+を介して小胞体チューブルの形態形成に関わる可能性が示された。
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