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2018 年度 実施状況報告書

新たな分裂制御機構である収縮環における収縮「速度」制御の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K14703
研究機関愛知医科大学

研究代表者

兵頭 寿典  愛知医科大学, 医学部, 助教 (40710645)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード細胞分裂
研究実績の概要

全ての細胞は増えるために分裂を行う。これはがん細胞も同じである。つまり分裂を完全に制御できれば、人類はがんを克服できる可能性がある。しかし分裂の制御機構はまだ不明な点が多く、最終目標である分裂の完全制御のためには、より詳細な細胞分裂機構の解明が必要になっている。
申請者は、細胞分裂に関与する新規タンパク質を同定するため、siRNAを用いてスクリーニングを行いLeucine Zipper Protein 1 (LUZP1)と呼ばれる機能未知のタンパク質に着目した。これまでの研究から申請者はLUZP1が間期にはアクチン上に、細胞分裂期には中心体、動原体、セントラルスピンドル、ミッドボディなど、細胞分裂に重要な複数の構造体に局在することを見出している。また非常に興味深いことにLUZP1を抑制すると収縮環の収縮速度が速くなることも明らかにしている。
30年度、申請者はLUZP1の収縮速度制御にはアクチンとの関係性が深く関与していると予想しLUZP1とアクチンの関係性を詳細に解析した。まず多数のLUZP1部分発現プラスミドを作成し、LUZP1のアクチン結合部位の同定を行った。またLUZP1抑制時にアクチン繊維の束が明らかに弱くなることを見出した。さらにLUZP1が2量体を形成することも明らかにした。今後はこれらの実験をin vitroの無細胞系で行い、LUZP1がアクチンに直接結合しているのか、LUZP1のみでアクチンを束化できるのかを検討し、これらが分裂に与える影響を明らかにしていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請者は2つのプロジェクトを抱えており、現在本件ではない方のプロジェクトが論文投稿段階となっている。そちらの作業を優先する必要があったため、本プロジェクトの方に若干の遅れが生じてしまった。ただし実験上のトラブルが原因ではないため今後その遅れは取り戻せると考えている。

今後の研究の推進方策

30年度の研究計画に少し遅れが生じてしまっているが、今後の計画に大幅な変更は必要ないと予想される。ただし今回の解析からLUZP1が間期アクチン繊維の束化を誘導するという新たな知見を得た。この機能についても分裂の速度制御に関与する可能性が考えられるため、追加の解析が必要だと考えている。

次年度使用額が生じた理由

30年度に行う予定だったRIを用いた実験が、実験の遅れにより31年度に行う予定に変更したため次年度使用額が生じた。繰越金は当初の予定通りRI実験に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] CRISPR/Cas9 nickaseによるノックインはp53を活性化しない2019

    • 著者名/発表者名
      兵頭 寿典、Rahman Md. Lutfur、Sivasundaram Karnan、太田 明伸、都築 忍、細川 好孝、小西 裕之
    • 学会等名
      ゲノム編集学会

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公開日: 2019-12-27  

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