動物の個体発生は、単細胞の受精卵から複雑な多細胞の体を作り上げる。この発生過程から、発生と進化の間には何らかの関係性があるのではないかと様々な説が提唱されてきた。その中でも有名なものの一つが反復説である。反復説によると、動物の個体発生は進化的に古い特徴から新しい特徴へ順番に発生させながら進んでいく。しかし、この考えはあくまで仮説であり、これまで反復説を定量的に支持する分子学的研究はなかった。本研究で、我々は遺伝子制御の観点から反復説の検証を行った。発生における活性化遺伝子制御領域を決定し、その進化的な古さを推定することで、遺伝子制御領域の活性化動態は反復パターンを示すことが明らかになった。
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