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2019 年度 実施状況報告書

微小管の脱配向化によりもたらされる新規細胞変形機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K14737
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

佐々木 武馬  国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 助教 (60759497)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードフラグモプラスト / 微小管 / カタニン / 細胞質分裂
研究実績の概要

本研究は植物に特有な分裂様式の分子的な理解を目指します。植物は細胞板を形成することで細胞質を二分します。細胞板の形成時には、植物特異的な細胞分裂時の微小管構造「フラグモプラスト」が形成され分裂面に細胞板成分を輸送します。フラグモプラストは植物特異的な微小管構造であり、その形成過程の理解は十分ではありません。本研究では植物細胞に特有なフラグモプラスト制御因子の一つである「CORD」の解析により実施しています。
本年度は昨年度に引き続き、CORDの細胞内局在を二光子スピニングディスク顕微鏡を用い実施しました。この結果、CORDがフラグモプラスト形成中に絶えずフラグモプラスト外縁部に局在することを確認しました。
さらに平行してcord変異体の解析を進めました。cord変異体ではフラグモプラストを形成する微小管が長くなります。この表現型は微小管切断タンパク質カタニンの類似しています。そこでカタニンの細胞内局在をcord変異体において調べたところ、フラグモプラスト上における局在異常が確認されました。この結果はcord変異体の表現型がカタニンの局在異常によりもたらされていることを強く示唆しています。
また新たにCORDを過剰に発現した細胞では微小管が短く切断されることを見出しました。この現象はカタニン変異体背景では確認されませんでした。この結果は、CORDによる微小管の断片化はカタニンにより引き起こされることを示しています。
以上の結果から、本年度はCORDが微小管切断タンパク質カタニンの局在を制御することでフラグモプラスト微小管の長さを調整していることを明らかとしました。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度と本年度の結果を二報の国際誌に投稿し受理されました。このことから、本研究は順調に進展しております。

今後の研究の推進方策

今後は引き続きCORDの解析を、BY-2細胞、ゼニゴケ、シロイヌナズナを用いて進めていきます。またCORDの相互作用因子を特定することで、フラグモプラストの形成過程をより分子的に理解していく予定です。

次年度使用額が生じた理由

本年度のは7か月間、ドイツ・チュービンゲン大学において共同研究を実施しました。このため、研究費の大半に共同研究先予算を使用したため次年度使用予算が発生致しました。次年度は、共同研究の成果をもとに、主にゼニゴケを用いた解析に本研究予算を使用する予定です。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] University of Tuebingen(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      University of Tuebingen
  • [雑誌論文] A Novel Katanin-Tethering Machinery Accelerates Cytokinesis2019

    • 著者名/発表者名
      Sasaki Takema、Tsutsumi Motosuke、Otomo Kohei、Murata Takashi、Yagi Noriyoshi、Nakamura Masayoshi、Nemoto Tomomi、Hasebe Mitsuyasu、Oda Yoshihisa
    • 雑誌名

      Current Biology

      巻: 29 ページ: 4060~4070.e3

    • DOI

      10.1016/j.cub.2019.09.049

    • 査読あり
  • [学会発表] Microtubule dynamics regulated by a plant-specific protein family, CORD2020

    • 著者名/発表者名
      Takema Sasaki, Hiroo Fukuda, Yoshihisa Oda
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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