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2018 年度 実施状況報告書

雌雄のクロストークによる花粉管誘引のON/OFFスイッチの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K14741
研究機関名古屋大学

研究代表者

水多 陽子  名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 招へい教員 (70645142)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード花粉管ガイダンス / 受精 / 細胞間コミュニケーション / シロイヌナズナ / ライブイメージング / ゲノム編集
研究実績の概要

本年度は観察と解析に必要な変異体マーカーラインの整備を中心に実験を進めた。花粉管の誘引と拒絶に関わると考えられる雌側組織を中心に各細胞を可視化するため、まずは細胞特異的なプロモーターとカルシウムインジケーターである蛍光タンパク質を用いてプラスミドを構築した。植物材料にはシロイヌナズナを用い、各組織の変異体をリソースから取り寄せ、形質転換体を作製した。変異体がない、または取り寄せることができなかったものは、CRISPR/Cas9によるゲノム編集技術を用いて形質転換体の作製をおこなった。
作製した形質転換体を観察したところ、特定の細胞で蛍光タンパク質の蛍光強度の特徴的な変動を観察することができた。観察結果と変異体の結果からは、この変動はめしべ内で起きるイベントと関連していることが示唆された。
次に、誘引と拒絶に関わる新規物質の同定のため、存在が示唆される細胞の発現解析をおこなった。まずは予備実験として、野生型と変異体でのおおまかな比較を進めている。また、細胞レベルでの比較のため、各細胞を蛍光タンパク質により可視化したマーカーラインを用いて目的の細胞のみを単離し、発現解析をおこなう実験系の構築を進めている。目的の組織によって細胞単離の条件は異なり、必要な細胞数を集める難易度も異なることから、組織や細胞にあわせた最適な条件検討をおこなっている。
また、花粉管のin vivoイメージングの方法については、より広く誰にでも使える方法として、さらなる改良をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

発現解析に必要な細胞単離の条件は検討項目が多く、また実験を進める過程で専用のマーカーラインの準備が必要となることがわかったため、材料の準備と実験手法の確立に当初想定していたより多くの時間がかかっている。

今後の研究の推進方策

作製したマーカーラインについては、順次観察と解析をおこなう。これまでの観察から、ある程度目的の時期と組織が絞り込めているため、候補となるこれらの要素を中心に観察や顕微操作、発現解析などを進める。これから作製するマーカーラインについては、これまで用いていた蛍光タンパク質の他に、定量的にカルシウムの変動を計測可能な蛍光タンパク質を用いる。

次年度使用額が生じた理由

当初よりプラスミド構築や植物材料の準備に時間がかかり、本格的な観察や解析が次年度以降に後ろ倒しとなったため。それに伴い、購入を予定していた機器の購入を次年度以降に見送り、または見直しをおこなったため。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 産業財産権 (2件)

  • [雑誌論文] Three-dimensional multiphoton imaging of transcription factor by ClearSee. Plant Transcription Factors2018

    • 著者名/発表者名
      Mizuta Y and Tsuda K
    • 雑誌名

      Springer protocols. Yamaguchi N (Ed.)

      巻: 1 ページ: 257-268

    • DOI

      10.1007/978-1-4939-8657-6_15

  • [雑誌論文] Chemical signaling for pollen tube guidance at a glance2018

    • 著者名/発表者名
      Mizuta Yoko、Higashiyama Tetsuya
    • 雑誌名

      Journal of Cell Science

      巻: 131 ページ: 208447

    • DOI

      10.1242/jcs.208447

    • 査読あり
  • [学会発表] 花粉管をベクターとした生殖細胞の遺伝子改変と植物生殖機構の解明2019

    • 著者名/発表者名
      水多陽子, 永原史織, 栗原大輔, 東山哲也
    • 学会等名
      第60回日本植物生理学会年会 シンポジウム
  • [学会発表] 二光子励起顕微鏡で解く植物生殖の謎2019

    • 著者名/発表者名
      水多陽子
    • 学会等名
      第7回 植物イメージングの会
    • 招待講演
  • [学会発表] 花粉のゲノム編集2018

    • 著者名/発表者名
      水多陽子、永原史織、東山哲也
    • 学会等名
      日本植物学会第82回大会
  • [学会発表] 花粉のゲノム編集法2018

    • 著者名/発表者名
      水多陽子、永原史織、東山哲也
    • 学会等名
      日本植物形態学会第30回大会
  • [学会発表] Two-photon imaging reveals spatio-temporal regulation on the one-to-one pollen tube guidance.2018

    • 著者名/発表者名
      Mizuta Y, Kurihara D, Nagahara S, Higashiyama T.
    • 学会等名
      The 25th International Congress on Sexual Plant Reproduction (ICSPR2018)
    • 国際学会
  • [学会発表] 花粉管をベクターとして植物を変える.2018

    • 著者名/発表者名
      水多陽子、永原史織、皆川吉、東山哲也
    • 学会等名
      第4回農学中手の会
  • [産業財産権] 花粉への物質導入方法2019

    • 発明者名
      水多陽子、永原史織、皆川吉
    • 権利者名
      水多陽子、永原史織、皆川吉
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2019-76650
  • [産業財産権] 植物ゲノム編集法2018

    • 発明者名
      水多陽子、永原史織
    • 権利者名
      水多陽子、永原史織
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2018-079316

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公開日: 2021-01-27   更新日: 2023-03-16  

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