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2021 年度 実績報告書

細胞膜張力がアクチンのパターン制御を通して管状組織の機械的強度を調節する

研究課題

研究課題/領域番号 18K14746
研究機関東北大学

研究代表者

内田 清薫 (関根清薫)  東北大学, 生命科学研究科, 助教 (00794398)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードアクチン / 超解像顕微鏡 / 管状組織 / ナノクラスター / 自己組織化 / 等間隔アクチンリング
研究実績の概要

本研究は管構造において、周方向へ等間隔に現れるアクチンリングのパターン形成の分子メカニズムを超解像イメージングおよびショウジョウバエの遺伝学により、明らかにすることを目的とした。前年度までに等間隔アクチンリングは、数十ナノメートル径のアクチン微小集合体(ナノクラスター)を前駆体としていることが明らかとなっていた。また、遺伝学的スクリーニングにより、ナノクラスターの構成に必須のアクチン結合分子も複数同定されていた。
最終年度は、これらのアクチン結合分子の発現を抑制した際に、ナノクラスターの挙動へ与える影響を定量的に解析した。PIV解析をした後にフーリエ展開を行うことで、個々のナノクラスターの異方性を明らかにするとともに、微小運動に周期性が無いかを検証した。その結果、各ナノクラスターは周方向へ優位に微小運動をする一方で、周期性は見出されなかった。これは、個々のクラスターが管状組織の軸方向を感知して、それぞれが自律的に運動していることを示唆している。アクチン重合開始因子の一つであるDAAMを欠損させると、ナノクラスターは異方性を失ったため、軸情報の感知にはDAAMが必要であることが明らかとなった。また、各種のアクチン結合分子の発現を抑制してクラスターサイズが小さくなったところ、やはり異方性を失った。以上により、このナノクラスターは特定の分子が集積する集合体として一定のサイズまで成熟することで、等間隔アクチンリングパターンを形成する機能的なユニットとなることが明らかとなった。
この一連の過程は、共同研究者の理研BDRの柴田達夫博士、多羅間充輔博士の開発した粗視化分子動力学モデルに基づいたシミュレーションにより再現され、アクチン・ミオシンII・アクチン結合分子がナノクラスターおよびストライプを自己組織化することが示された。
以上の成果を各種学会で発表し、論文を執筆中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Microphase separation of actomyosin during tracheal development in Drosophila embryo2022

    • 著者名/発表者名
      Mitsusuke Tarama, Sayaka Sekine, Tatsuo Shibata, Shigeo Hayashi
    • 学会等名
      物理学会第77回年次大会
  • [学会発表] Emergence of circumferential actin cables from clustered cross linked actin filaments during tubulogenesis2021

    • 著者名/発表者名
      Sayaka Sekine, Mustafa M. Sami, Housei Wada and Shigeo Hayashi
    • 学会等名
      Annual meeting of Japanese society of developmental biology 2021
  • [学会発表] Emergence of circumferential actin cables from clustered cross linked actin filaments during tubulogenesis2021

    • 著者名/発表者名
      Sayaka Sekine, Mustafa M. Sami and Shigeo Hayashi
    • 学会等名
      14th Japan Drosophila Research Conference

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公開日: 2022-12-28  

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