研究課題
本研究では、慢性腎臓病(CKD)とその要因として知られているメタボリックシンドローム(MS)に関連する形質に焦点を当て、被災地住民の日本人集団を中心にポリジェニックモデル用いたゲノム解析を行った。平成31年度の具体的な研究内容・実績として、①昨年度に引き続き、解析に必要なスーパーコンピューターに向けたゲノム情報解析用のアルゴリズム・プログラムを開発、②開発したプログラム(①)の実装を行うことで、CKD及びMSに関連する形質の集団レベルでの遺伝パラメーター(例えば、各形質の遺伝率や、形質間の遺伝相関など)の推定のみならず、遺伝子レベルにおいてもポリジェニックモデルによる解析を実施し形質に影響を与える染色体上の特定領域(遺伝子群)の同定を実施、③日本人集団と外国人集団の比較を行うことで、日本人の遺伝的な特性の明確化、④遺伝以外の要因の推定を行った。平成31年度は本研究の一番大きなポイントとなっている特定領域の遺伝子群の効果を推定するための手法(Regional Heritability Mapping法、RHM法)の開発を行い、スーパーコンピューターによる実装を行った。その結果として同定した遺伝子について、国内外の国際会議(American Society of Human Genetics 2019 Annual Meeting、日本人類遺伝学会第64回大会)で発表を行った。その他の具体的な研究成果として、CKD及びMSに関連する17個の形質のポリジェニックモデルによるゲノム解析結果を研究論文にまとめ、国際学術ジャーナル(査読付き)に採択されている。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
G3: Genes|Genomes|Genetics
巻: ー ページ: ー
10.1534/g3.120.401242