研究課題/領域番号 |
18K14761
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
古藤 日子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80583997)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 社会性昆虫 / アリ / 消化 / 行動アッセイ |
研究実績の概要 |
これまでに孤立環境にある個体における遺伝子発現の変化をRNAシーケンス、およびde novoトランスクリプトーム解析により行ってきた。今回、本研究に用いているイスラエル産のオオアリ(Camponotus fellah)のゲノムデータを参照として際解析を行った結果、これまでの解析にて得られていた候補因子に加えて複数の酸化ストレス応答に関わる遺伝子が候補として得られた。また、これらの遺伝子発現について再現性の確認と時間軸にそった遺伝子発現変動を調べることを目的とし、現在飼育する個体にて孤立環境における応答を調べた。その結果、グループ飼育に比較して孤立環境での寿命短縮はこれまでの研究成果にあるものと同じく観察された一方、そのタイムコースは異なり、孤立環境への耐性は母コロニーのサイズや産卵状況、また栄養状態によって異なる可能性が示唆された。これらの新たなサンプルを用いた孤立ストレス応答の記述を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
RNAシーケンスのために採集したサンプルと、現在保持するサンプルは同じ母コロニーに由来するにも関わらず孤立ストレスに対する耐性が異なる可能性が示唆され、その相違について詳細な解析を進めてきた。現在保有するコロニーでは、孤立環境における寿命は延長する傾向が観察されているが、グループ飼育に比べると有意に短いことから、本研究のサンプルとして問題ないと判断した。この寿命測定等に想定外の時間を要したため研究計画はやや遅れているが、今後は問題なく遂行が可能であると判断している、
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今後の研究の推進方策 |
今後は現在保有するサンプルにて定量PCRによる経時的な遺伝子発現変動を観察し、国際学術誌への論文投稿を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
社会環境の操作によって寿命変化した個体において、定量PCRによる遺伝子発現変動の解析、および消化組織の機能変化の解析を予定していた。しかしながら、現在研究室で維持している昆虫の飼育状況により、次世代シーケンスを行なったサンプルに比較して、孤立環境における寿命が長くなる傾向が観察され、再度グループ飼育環境と孤立環境での寿命測定実験を実施したため、当初の計画通りに進行することが難しく遅れを生じてた。期間延長によりこれらの実験を継続し、国際学術誌への論文投 稿を希望することから補助期間の延長を申請した。
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