甲虫目は、白亜紀前期~中期には被子植物の花粉媒介を担っていたと考えられており、カミキリムシ科の含まれるハムシ上科も初期花粉媒介甲虫の重要な一群である。しかし、カミキリムシ科は、花粉媒介甲虫の大群であるにも関わらず、いつから花粉媒介をしていたのか明らかとなっていない。そこで、カミキリムシ科の訪花性に関する進化学的解析を行った結果、カミキリムシの訪花性は、白亜紀前期~中期に少なくともカミキリ亜科とハナカミキリ亜科で独立に起源したものと推定された。さらに、新生代までには効率的に訪花する系統が各亜科に複数現れ、それらが多様化したことで現代の訪花性カミキリムシの繁栄につながったと考えられた。
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