研究課題
2020年度は昨年度に引き続き、ハブクラゲのポリプを得るため、沖縄本島にてハブクラゲの成熟個体を採集した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響や天候不良につき、十分な調査が実施できず捕獲できたハブクラゲは少数であったが、受精卵を得ることができた。卵を用いて胚発生の観察や初期ポリプの飼育実験を行った。卵は沈性卵で、立方クラゲ特有の眼点をもつプラヌラへ発達した。プラヌラの眼点は体全体に見られることを確認した。また、プラヌラは芋虫状または壺状の初期ポリプへ発達した。初期ポリプは様々な水温や塩分条件下で飼育し、定着状況、形態変化、行動を記録した。また、初期ポリプには給餌を行い、成熟ポリプへ育成させるため飼育観察中である。また、これまで琉球列島で採集されたハブクラゲの標本を精査し、成長に伴う傘のサイズの増加や葉状体、触手、葉状体管屈曲部などの形態的特徴の変化を整理した。フィリピンやタイで採集されたハブクラゲ属の一種、日本沿岸で採集されたリュウセイクラゲについても精査を行い、ハブクラゲとの形態比較を行った。これらの形態観察と並行してDNA分析を実施し、ハブクラゲ目の種同定や分類に関する知見をまとめた。ハブクラゲの近縁種、リュウセイクラゲMeteorona kishinouyeiについても受精卵および初期ポリプを得ることができた。卵とポリプについては経時観察と成長に伴う形態変化を記録した。初期ポリプは給餌を行い、成熟ポリプへ育成させるため飼育観察中である。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
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