温泉に生息するリュウキュウカジカガエルの幼生は最高で46℃の水域で発見されており、これは報告されている世界中のどの両生類よりも高温である。源泉付近は70℃を超える熱湯であり、極限的な生息環境といえる。このような環境で集団が維持できる要因を知ることは生物の環境適応の可能性を理解することにつながる進化生態学的意義をもつ。本研究で得られた知見はその一助となるだろう。 また、両生類における温度ストレスに注目した遺伝子発現解析は研究例が少なく、本研究のような高温ストレスを扱った研究は他に例がない。本研究で得られたデータや知見は両生類と熱ストレスの関係を理解するための基盤となる。
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