令和3年度の研究活動においては、これまでの研究で収集されたデータの分析と成果報告を中心に研究活動を行った。 データ解析から、ヒトの二足歩行を特徴づける可能性のある新たな知見が得られた。これまで収集したニホンザル、シロテテナガザル、ヒトの二足歩行時の傍脊柱筋の筋活動電位の変化パターンと頭部加速度の変動を詳細に分析した。その結果、ヒトの傍脊柱筋は頭部加速度の変化をわずかに先行するタイミングで活動し、一方、非ヒト霊長類の傍脊柱筋は頭部加速度の変動に遅れて活動した。この時間的なずれはヒトの直立二足歩行を特徴づける可能性がある。 本年度はこれまでの知見を国際的な学術集会で発表したり、国際雑誌に投稿した。国際学会はアメリカ生物人類学会で発表を行った。論文はJournal of Human Evolutionへ投稿し、現段階では1回目の査読が終わった段階である。研究期間中の受理には至らなかったが、今後、論文の受理を目指す。
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