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2022 年度 実績報告書

脊髄後角アストロサイト亜集団形成メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K14821
研究機関九州大学

研究代表者

高露 雄太  九州大学, 薬学研究院, 准教授 (30723861)

研究期間 (年度) 2021-11-01 – 2023-03-31
キーワードアストロサイト / 脊髄 / 亜集団
研究実績の概要

グリア細胞の一種であるアストロサイトは、分子および機能的に不均一な集団であることが示唆されているが、特に成体脊髄における亜集団の存在やその意義については理解が進んでいない。代表者はこれまでに成体マウス脊髄後角におけるアストロサイト亜集団(Hes5陽性)の同定および感覚情報伝達における役割を明らかとしてきた(Nat Neurosci, 2020)。そこで本研究では、代表者が同定したHes5陽性アストロサイトの形成メカニズムを解明することを目的とした。前年度までの結果より、生後直後から成体にかけてHes5陽性細胞の分布が徐々に脊髄後角の表層へと限局していくこと、また成長に伴いHes5陽性細胞種はアストロサイトの特異性が高くなることを明らかとした。さらに、一次求心性神経由来のシグナルが成体脊髄におけるHes5の発現に重要である可能性を示唆する結果を得た。それらの結果を受けて本年度は、一次求心性神経の中でも、Hes5陽性アストロサイトの局在する領域に投射することが知られている神経集団に着目し、同神経特異的な毒素をマウスに投与したところHes5陽性細胞数の減少が確認された。また、Hes5の上流シグナルとしてNotchシグナルに着目し、アデノ随伴ウイルスを用いてHes5陽性アストロサイト特異的にNotchシグナルの共役因子に対するドミナントネガティブ体を強制発現させたところ、Hes5の発現が減少した。さらに、Notchシグナルのリガンド分子の発現についてin situ hybridization法を用いた解析を行ったところ、脊髄に比べて発現が高く、またその発現がDRGニューロンに限局している因子が確認された。
以上の結果より、一次求心性神経との相互作用を介して、Notchシグナル依存的にHes5の発現が脊髄アストロサイトで誘導される可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] GPR55 contributes to neutrophil recruitment and mechanical pain induction after spinal cord compression in mice2023

    • 著者名/発表者名
      Ono Teruaki、Yamashita Tomohiro、Kano Ryota、Inoue Mariko、Okada Shota、Kano Koki、Koizumi Schuichi、Iwabuchi Kazuhisa、Hirabayashi Yoshio、Matsuo Ichiro、Nakashima Yasuharu、Kamiguchi Hiroyuki、Kohro Yuta、Tsuda Makoto
    • 雑誌名

      Brain, Behavior, and Immunity

      巻: 110 ページ: 276~287

    • DOI

      10.1016/j.bbi.2023.03.008

    • 査読あり
  • [学会発表] 脊髄アストロサイトから紐解く感覚情報伝達の調節メカニズム2023

    • 著者名/発表者名
      高露雄太、松田烈士、吉原康平、津田誠
    • 学会等名
      第100回日本生理学会大会
  • [学会発表] 脊髄後角における非細胞自律的な体性感覚情報処理2022

    • 著者名/発表者名
      高露雄太、松田烈士、吉原康平、津田誠
    • 学会等名
      第96回日本薬理学会年会
  • [学会発表] 【グリアデコード】脳から脊髄を介した新たな痛覚制御メカニズムの解明2022

    • 著者名/発表者名
      高露雄太、松田烈士、吉原康平、津田誠
    • 学会等名
      日本科学振興協会 第1回総会・キックオフミーティング
  • [備考] 九州大学大学院薬学研究院薬理学分野

    • URL

      http://life-innov.phar.kyushu-u.ac.jp/index.html

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公開日: 2024-12-25  

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