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2020 年度 実施状況報告書

発達過程におけるPSD構成因子の変化とシナプス構築の関係

研究課題

研究課題/領域番号 18K14830
研究機関神戸大学

研究代表者

貝塚 剛志  神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (40782032)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードPSD / シナプス後肥厚 / シナプス / プロテオミクス / 液-液相分離
研究実績の概要

シナプス後肥厚(postsynaptic density, PSD)は樹状突起スパイン先端部に局在する巨大なタンパク質複合体である。PSDは神経伝達物質受容体や足場タンパク質、シグナル伝達分子など1000種類以上のタンパク質から構成されている。本研究では前年度までに、マウスおよびコモンマーモセットのPSDのプロテオーム解析を行い、生後の発達過程におけるPSDのタンパク質組成の変化とシナプスの変化の関係を示してきた。本年度はここまでに得られた知見を論文としてまとめ、投稿を行った。そして査読者からの質問に答えるため、何点か追加の実験および解析を進めた。例えばここまでの研究で、PSDのプロテオームと脳組織のトランスクリプトームの間に相関があることがわかっていたが、両者間に相関のないPSDタンパク質の量の変化はどう説明できるか、という問題があった。実験の結果、これはタンパク質の局在の変化で説明できると示した。

また、プロテオームのデータからPSDに多量に存在していると思われるにも関わらず、機能が未知となっているタンパク質の解析を行った。このタンパク質は液-液相分離により細胞内で液滴状の構造体を形成する。欠失変異体の解析から、液滴を形成しない変異体はPSDに局在できないことを見出した。また、神経細胞におけるノックダウンの実験から、このタンパク質はシナプス伝達を促進する働きがあると考えられた。これらの知見についても、論文として取りまとめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

データのまとめおよび論文の執筆に想定以上に時間がかかってしまった。この要因としては、広がってしまったデータを一つのストーリーとしてまとめることの難しさがあったと考えられる。初期の時点で洗練されたデザインの研究計画が組めていればよりスムーズに論文執筆が進んだと考えられるので、ここは反省点であると認識している。

とはいえ、最終年度中には一連の研究成果を2報の論文として発表できる見込みであるため、全体として見れば必ずしも悪くはないペースで進められていると考えている。

今後の研究の推進方策

基本的なデータの取得は完了しているため、あとは論文発表を完遂することが目標である。査読者のコメントに対し、必要に応じて追加の実験・解析を行うことで研究の質をさらに改善し、発表まで進めていきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Autophagy Is Required for Maturation of Surfactant-Containing Lamellar Bodies in the Lung and Swim Bladder2020

    • 著者名/発表者名
      Morishita Hideaki、Kanda Yuki、Kaizuka Takeshi、Chino Haruka、Nakao Kazuki、Miki Yoshimi、Taketomi Yoshitaka、Guan Jun-Lin、Murakami Makoto、Aiba Atsu、Mizushima Noboru
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 33 ページ: 108477~108477

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2020.108477

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 発達期のげっ歯類および霊長類の脳におけるシナプス後肥厚のリモデリング2020

    • 著者名/発表者名
      貝塚 剛志、鈴木 健裕、岸 憲幸、堂前 直、岡野 栄之、内匠 透
    • 学会等名
      第93回日本生化学会大会

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公開日: 2021-12-27  

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