研究課題
興奮性ニューロンのサブタイプ特異的な局所神経回路の構造と神経活動の規則性を明らかにするため、本年度も引き続きin vivo二光子カルシウムイメージングによって計測したマウス大脳新皮質一次視覚野の5層興奮性ニューロンの自発神経活動および視覚応答特性の解析を行った。In vivo二光子カルシウムイメージングのデータ解析方法を見直したことで、記録した膨大な神経活動のデータをより短時間で効率的に処理できるようになった。前年度までの解析で明らかになってきた興奮性ニューロンのサブタイプによって異なる自発神経活動のパターンと視覚応答特性について、新たに解析した実験データを蓄積したことによりニューロンサブタイプ間の機能的な違いがさらに明確になった。実験データ量が多く本研究課題終了時点でまだ全ての解析が終了していないため、引き続きデータ解析を進める。神経細胞サブタイプごとの機能的差異と遺伝子発現の対応を明らかにするために、シングルセルRNA-Seqによって単一のニューロンの遺伝子発現を網羅的に解析する手法を確立した。これまでに開発した神経活動依存的な蛍光標識法と組み合わせることで、個々のニューロンの神経機能と遺伝子発現を解析することが可能になった。シングルセルRNA-Seqによる遺伝子発現解析の実験は本研究課題終了後も引き続き実施し、神経活動計測の実験データと合わせて大脳新皮質の神経ネットワークの構造と機能を解明すべく研究を継続する予定である。
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PLOS Biology
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