統合失調症や双極性障害は、若年発症の難治性慢性疾患で発症メカニズムが不明のため、予防法、治療法が確立していません。様々な遺伝的要因のほか、環境要因も想定されていますが、脳機能を障害する確固たる原因は未だ同定されておらず、予防、治療法の確立が強く望まれています。 本研究成果は、精神疾患発症の背景に血管の障害による栄養素の取り込み低下といった代謝障害が潜在的に存在する可能性を示唆しており、今後、既存の神経伝達物質の受容体やトランスポータに対する創薬だけでなく、代謝制御といった新たな観点からの予防、治療法の開発が見込まれます。
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