研究課題
本研究は、脳腫瘍の確定診断には必要不可欠である生検術において、低侵襲性と診断能力の両立を可能とする全く新しい革新的な手術方法、すなわちボーリング バイオプシーを開発し、その新たな生検法の有効性を証明するとともに、ボーリングバイオプシー用ツールの開発、普及を目指したものである。これまで、信州大学医学部医倫理委員会の承認のうえ、独自に試作したボーリングバイオプシーニードルを用いた臨床研究を行った。具体的には、本手術に術中MRI、ナビゲーション、神経内視鏡を併用し、脳腫瘍手術における術中画像誘導手術の有用性のもと、本術式は、急速な発展を遂げた画像誘導手術の一環として行い、その手術成績を解析し従来術式との比較検討の上、本法の非劣勢を証明し、国内学会や欧文誌に発表した。さらに、医療機器としてのボーリングバイオプシーニードルの開発のため、信州大学学術研究・産学官連携推進機構の協力のもと、高島産業株式会社、(株)フジタ医科器械との医工連携で、医療機器としてのボーリングバイオプシーニードルの開発に取り組み、また特許の出願を行った。令和3年度は、実臨床で使用可能な手術用硬性小物としてのボーリングバイオプシーニードルを開発し、これを用いた臨床研究を行った。その結果、ボーリングバイオプシーニードルの先端形状に課題が残ることが判明したため、さらなるツールの改良を行い、ツールが完成した。そのうえで、さらなる臨床研究を進め、症例数はまだ少ないものの、検体採取の確実性、検体切離面の細胞形態の温存な、本ツールの有用性、可能性を示唆する研究結果を得た。
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Sci Rep.
巻: 12 ページ: -
10.1038/s41598-022-08366-y