迷走神経はほぼ全ての内臓機能を支配する神経であり、この神経の活性化によって臓器機能が変化する。最近、迷走神経を標的とした疾患治療戦略が注目されているが、迷走神経の活性化機構の理解が十分ではないことから、電気刺激デバイスを外科的に埋め込むことで迷走神経を活性化させる必要がある。本研究では迷走神経の新たな活性化機構を明らかにすべく、特に脂質を認識する受容体に着目して解析したところ、実際に脂質受容体の作動薬が迷走神経を活性化させ、一部の臓器機能を変化させることを見出した。従って、今後これらのメカニズムをより詳細に解析することで、脂質受容体を通じた迷走神経制御が可能になることが期待される。
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