研究課題/領域番号 |
18K14849
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
|
研究機関 | 藤田医科大学 (2020) 名古屋大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
船橋 靖広 藤田医科大学, 総合医科学研究所, 講師 (00749913)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | Rho ファミリー / CaMKⅡ / Rho-Kinase / リン酸化 / プロテオミクス解析 / グルタミン酸 / 学習・記憶 / シナプス可塑性 |
研究成果の概要 |
本研究ではリン酸化プロテオミクス解析を行い、グルタミン酸受容体(NMDA受容体)の下流でリン酸化が亢進する数百種類以上のタンパク質とそのリン酸化部位を同定した。グルタミン酸がCaMKⅡを介してRhoAの制御因子ARHGEF2をリン酸化することでARHGEF2を活性化し、RhoA―Rho-Kinase経路を活性化することを見出した。さらに、Rho-Kinaseがポストシナプスの足場タンパク質SHANK3をリン酸化することで、DLGAP3との結合を増加し、NMDA受容体やAMPA受容体との相互作用を増加すること、及び情動行動とその学習・記憶を制御することを明らかにした。
|
自由記述の分野 |
神経化学・神経薬理学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、脳内の主要な神経伝達物質であるグルタミン酸の下流で働くCaMKⅡやRho-Kinaseの基質とそれらのリン酸化部位が明らかになった。さらに、CaMKⅡやRho-Kinaseとそれらの基質による情動行動と学習・記憶の制御機構の一端が明らかになった。これらの成果は基礎神経科学において重要というだけでなく、認知症などの神経疾患の病因・病態解明や診断・治療法の確立等の医学分野に貢献する可能性が高い。
|