ON経路とOFF経路の視運動学的応答(OKR)に基づく視覚処理の時間的特性を理解するために、網膜ON型双極細胞が欠損されたモデルマウスを用いてISI実験を行った。野生型マウスと網膜ON型双極細胞欠損マウスでは、ISIが長くなるにつれOKRは減少し、最終的に視覚運動の方向が逆転した。特に、網膜ON型双極細胞欠損マウスの場合、野生型マウスよりも短いISIでOKRの進行性の減少および方向逆転が見られた。これらの結果は、ON型双極細胞欠損マウスの時間的特性が野生型マウスと比較して速いことを示し、時間分解能におけるON、OFF経路には異なる役割があることが明らかとなった。
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