本研究の目的は哺乳類の終脳に相当し、簡単な脳構造を持つゼブラフィッシュ成魚の意思決定機構を明らかにすることである。そのため能動的、受動的回避行動をトレーニング中の魚の終脳の神経活動を観察することが可能な仮想空間-2光子イメージングシステムを確立した。解析の結果、魚が見るもの、つまり周囲の壁の色(青、赤など)、または見るものの状態(景色が動いているか静止しているか)にルール(安全または危険)を付加する複数の神経アンサンブルが生成されることが明らかになった。さらにアンサンブルの組み合わせによって、同じ目標(安全な領域に逃げる)を達成するにもかかわらず魚毎に多様な行動戦略を取ることが明らかになった。
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