研究課題/領域番号 |
18K14869
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
猪熊 翼 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 助教 (40541272)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ペプチド合成 / アリールグリシン / 不斉触媒 / アリール化 / イミン |
研究実績の概要 |
メチルアミド構造を有するN-Fmoc-O-Meアミナールをモデル基質として用いフェニルホウ酸とのアリール化反応を検討した。その結果、本基質とフェニルボロキシンとの不斉反応においてピリジン―オキサゾリン構造を持つキラル配位子と酢酸パラジウムからなる不斉触媒を20mol%用いることで、91%eeで目的の付加体を得ることができた。しかし本反応は収率が21%と低調であり、加えた触媒量をこえる収率を得ることはできなかった。そこで基質の求電子部位を代表者が以前の研究で利用したN-Npsイミンに変更して同様の反応を検討した。その結果、eeは61%と中程度の値にとどまったが収率は使用した触媒量より高い33%まで向上した。次に、ペプチド性基質への適用を指向し基質のメチルアミド部位をアミノ酸構造をもつジペプチド型基質に替え反応条件のさらなる検討を行った。その結果、アミド体を用いた場合と同様に反応が進行することが確認され、反応溶媒の変更によって立体選択性を損なうことなく収率を62%まで向上させることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画で用いる予定であったN,O-アミナールによるペプチド合成への展開は困難であったが、替わりにN-Npsイミンを利用することで、それが可能であることを新たに見出だした。当該構造は代表者の過去の研究ですでにペプチド鎖へのNpsイミン構造の導入に成功しているため、本来は本年度に行う予定であった疎水性アンカー担持ペプチドへの基質部位導入検討を行う必要がなくなったため。
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今後の研究の推進方策 |
まずN-Npsイミンとアリールホウ酸の不斉反応の更なる最適化を行い、収率、立体選択性の更なる改善を図る。次にペプチド合成において利用できるアミノ酸残基の適用範囲を探る。最後に芳香族アミノ酸が活性発現に重要な既知の生物活性ペプチドの配列をもとに、本戦略によって当該残基をアリールグリシンに置換した誘導体ペプチドを合成に展開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
<理由>3月納品となり、支払いが完了していないため。 <計画>4月に支払いが完了する予定である。
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