研究課題
昨年度に引き続きC末端側にアミノ酸残基を有するN-Npsイミンを用いて4-メトキシフェニルボロキシンとの不斉アリール化を検討した。フェニルアラニン残基を持つ基質においてもPd(OAc)2とアミノ酸から誘導される不斉リガンドを用いることで高い立体選択性(dr = 90:10)で目的物を得ることができたが収率は28%と低調であった。そこで本反応の反応条件を精査したところ、Pd種をPd(TFA)2に変更しニトロメタンと酢酸エチルの混合溶媒中酸素雰囲気下で反応を行うことにより79%収率、dr 92:8まで結果を向上させることができた。見出した最適反応条件は、フェニルアラニンのみでなくセリンやアスパラギン酸等他のアミノ酸残基を含む基質や4-メトキシフェニルボロキシン以外のアリールボロキシンに対しても適用可能であった。また、用いる不斉リガンドをそのエナンチオマーに変更することでアリールグリシンα位の立体配置が反転した生成物を同程度の収率と立体選択性で得ることにもあわせて成功した。これらの結果から本反応はアリールグリシン含有ペプチドの網羅的合成に展開可能であることが示唆される。
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