研究課題/領域番号 |
18K14870
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
上田 篤志 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 助教 (10732315)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | ジ置換アミノ酸 / ペプチド / 有機分子触媒 / 薬学 / 有機化学 |
研究実績の概要 |
本年度は、ジ置換アミノ酸の合成とそれらを用いてペプチドを合成し、そのペプチドの二次構造を解析することで、ペプチドフォールダマーとして利用に関する可能性を調べることを中心に研究をおこなった。 まず、(ー)ーメントールから得られる(ー)ーメントンを出発原料としたジ置換アミノ酸の立体選択的な合成では、ブヘラーベルクス法またはストレッカー法により、ジアステレオ選択的に2種のジアステレオマーをそれぞれ短い工程数で得ることに成功した。これらのジ置換アミノ酸をL-ロイシンやLーアラニン、Dーアラニンをはじめとした種々のL-αーアミノ酸をカップリングさせることで、様々なヘテロペプチドを合成することができた。ジアステレオマーの種類によっては、これらのカップリング反応の反応性が大きく異なるという現象も見られた。単結晶が得れた化合物に関しては、X線結晶構造解析をおこなった。その結果、得られた化合物の多くは3^10ヘリックス構造を形成していることがわかった。 また、糖を導入したアミノ酸の合成に関しても研究を行い、グリコシル化によってL-セリンやLートレオニンの側鎖の酸素上に効率的かつ立体選択的に糖を導入することができた。 側鎖上にフッ素を導入したジ置換アミノ酸の合成では、効率的な合成を目指して、不斉補助基の導入や不斉トリフルオロメチル化などを検討した。現在のところ、不斉触媒反応で高い立体選択性を導き出すことに成功している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画書に記載した内容に従い各項目に関しての研究を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
ペプチドの配列を変えることで、二次構造へ与える影響を調べるとともに、ペプチドフォールダマーとしての機能性を評価することを中心に研究を推進させていく。その際、糖を導入したアミノ酸やフッ素を導入したアミノ酸についても、ペプチドへの組み込みを検討し、新しいペプチドフォールダマーを創製する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究の途中で派生した研究もあり次年度にその詳細について検討する必要が生じたため。当初計画と合わせて、次年度にその成果をまとめる。
|