本研究は、免疫疾患や臓器移植後の拒絶反応、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病の治療等を目指して、2型TNF受容体(TNFR2)を標的とする制御性T細胞(Treg)の新規増幅法の開発を目的とした。クラスタリング作用による強いTNFR2シグナル伝達を可能にするため、独自に同定したTNFR2アゴニストに、一本鎖TNFR2抗体を融合させたイムノサイトカインを創製した。TNF受容体への結合性やTNFR2を介したシグナル伝達活性を解析した結果、TNFR2選択結合性を保持したまま、シグナル伝達が増強した。ヒトTregに対する増幅効果も認められた。従って、新規Treg増幅分子として有用であることがわかった。
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