脂質過酸化反応は、様々な酸化ストレス性疾患への関与が認知されつつある。その一方、最終産物であり、疾患発症を助長する脂質アルデヒドの構造情報については未だ不明瞭な点が多い。その要因としては、脂質アルデヒドが複雑かつ多彩な反応機構を経由して生成する点や、適切な測定技術が不足している点が挙げられる。そこで本研究では、我々が近年開発した脂質ラジカル構造解析技術を発展させることで、新規化学種を含む計140種の脂質アルデヒドの構造推定に成功した。さらにこれら構造情報を活用することで、酸化LDL中にて生成する脂質アルデヒドの体系的解析を達成した。
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