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2021 年度 実績報告書

耐性菌パンデミックの回避に向けた細菌薬剤排出ポンプの解析と阻害剤開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K14902
研究機関大阪大学

研究代表者

山崎 聖司  大阪大学, 高等共創研究院, 准教授 (70757301)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード耐性菌 / 感染症 / 排出ポンプ / 細菌 / 抗生物質 / 抗菌薬 / 薬剤耐性 / 多剤耐性
研究実績の概要

世界中の医療従事者が直面している薬剤耐性菌感染症の克服、および大規模な耐性菌パンデミックの回避に向けて、薬剤耐性化に大きく寄与している細菌の薬剤排出ポンプとその発現制御因子に着目した分子標的創薬を実現するための技術基盤を構築する。

具体的には、実際に申請者の研究から、薬剤排出ポンプが薬剤耐性だけでなく病原性発現等にも関わることが分かってきており、薬剤排出ポンプの機能の全貌を解明することが重要な課題となってきたため、関与する環境因子を含めた薬剤排出ポンプの発現制御ネットワークおよび生理的役割を明らかにする。一方、こちらも申請者の研究から、排出ポンプの薬剤認識機構(Nature, 2011)および阻害剤感受性決定因子(Nature, 2013)が明らかとなったが、依然として臨床的に有効な阻害剤は得られていないため、これまでに得られたタンパク質構造情報を利用した効率的な探索手法によって、排出ポンプ新規阻害剤を開発する。

今年度は、昨年度発見した薬剤耐性緑膿菌の排出ポンプ遺伝子に存在する共通の変異に関して論文を作成した他、新たに、排出ポンプの発現制御に関わる遺伝子にも共通の変異が広く見られることが明らかとなった。特に、多くの菌株で排出ポンプの発現制御に関わる遺伝子に見られた点変異は、アミノ酸変異を伴わず(サイレント変異) 、codon usageは元のコドンと比較して低くなっていることが判明した。アミノ酸変異を伴わない点変異(サイレント変異)による新たな薬剤耐性化メカニズムの解明、迅速な耐性菌判定手法の実用化に大きく貢献できると考えている。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件)

  • [雑誌論文] Evaluation of efflux pump inhibitors of MexAB- or MexXY-OprM in Pseudomonas aeruginosa using nucleic acid dyes2022

    • 著者名/発表者名
      Fujiwara Masasuke、Yamasaki Seiji、Morita Yuji、Nishino Kunihiko
    • 雑誌名

      Journal of Infection and Chemotherapy

      巻: 28 ページ: 595~601

    • DOI

      10.1016/j.jiac.2022.01.003

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Function and Inhibitory Mechanisms of Multidrug Efflux Pumps2021

    • 著者名/発表者名
      Nishino Kunihiko、Yamasaki Seiji、Nakashima Ryosuke、Zwama Martijn、Hayashi-Nishino Mitsuko
    • 雑誌名

      Frontiers in Microbiology

      巻: 12 ページ: 737288

    • DOI

      10.3389/fmicb.2021.737288

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 新規制御手法の開発による細菌とのより良い共存関係の構築2022

    • 著者名/発表者名
      山崎聖司
    • 学会等名
      第4回COI 学術交流会
  • [学会発表] MacABの発現はRho依存型ターミネーターを介して、Rofによって調整されている2022

    • 著者名/発表者名
      中野草平、山崎聖司、田口厚志、西野邦彦
    • 学会等名
      日本薬学会第142年会
  • [学会発表] MacABの発現はRho依存型ターミネーターを介して、Rofによって調整されている2022

    • 著者名/発表者名
      中野草平、山崎聖司、田口厚志、西野邦彦
    • 学会等名
      第95回日本細菌学会総会
  • [学会発表] 細菌とのより良い共存関係の構築2022

    • 著者名/発表者名
      山崎聖司
    • 学会等名
      第10回大阪大学COIシンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 新規抗菌薬セフィデロコル自然抵抗性における緑膿菌薬剤排出ポンプの役割解明2021

    • 著者名/発表者名
      井川創太、山崎聖司、森田雄二、西野邦彦
    • 学会等名
      第33回 微生物シンポジウム
  • [学会発表] 腸内フローラの改善による人間力活性化メカニズムの解明2021

    • 著者名/発表者名
      西野邦彦、山崎聖司、熊ノ郷淳
    • 学会等名
      イノベーションジャパン2021(JSTフェア)
  • [学会発表] イオン移動度分光の腸内環境センシングへの応用2021

    • 著者名/発表者名
      氏本勝也、向井琢雄、山崎聖司、西野邦彦
    • 学会等名
      イノベーションジャパン2021(JSTフェア)
  • [学会発表] 大阪大学拠点における若手活動の振り返り2021

    • 著者名/発表者名
      山崎聖司
    • 学会等名
      プレ第6回COI2021 会議
    • 招待講演
  • [学会発表] The increasingly pressing role of RND-type efflux pumps in multidrug resistant pathogens2021

    • 著者名/発表者名
      Martijn Zwama, Ryosuke Nakashima, Seiji Yamasaki, Kunihiko Nishino
    • 学会等名
      10th imec Handai International Symposium
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 細菌活動のコントロールによる新たな共存関係の構築2021

    • 著者名/発表者名
      山崎聖司
    • 学会等名
      第3回ファーマラボEXPO
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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