研究課題
若手研究
慢性疼痛(炎症性疼痛・神経障害性疼痛)は副作用の少ないより良い治療薬がいまだ開発されていない。慢性疼痛の発症に関与するプリン作動性化学伝達の必須因子である小胞型ヌクレオチドトランスポーター(VNUT)に着目した。本研究により、新たに見出したVNUT特異的阻害剤はプリン作動性化学伝達を制御し、既存の鎮痛薬と比較して慢性疼痛に対してより有効であることを明らかにした。
生化学
In vivo、in vitroにおいて、VNUTを特異的に阻害することで、小胞へのATP濃縮を阻害し、プリン作動性化学伝達を制御することが可能となった。プリン作動性化学伝達は疼痛だけではなく炎症をはじめとした様々な疾患への関与が知られているため、今後、それらの治療の応用が期待できる。また、トランスポーターを標的とした鎮痛薬は新規であり、新たな創薬標的を見いだすことができた。