研究代表者らは、酸化されたリン脂質を還元する抗酸化酵素であるGPx4をノックアウトすると、脂質酸化依存的な新規細胞死を起こすことを明らかにしている。本研究ではGPx4欠損による新規細胞死における酸化リン脂質代謝経路の全体像を明らかにすることを目的とし、新規重水素型酸化リン脂質を用いたフラクソーム解析による酸化リン脂質代謝マップの作成、という全く新しい切り口での現状打破を試みた。その結果、GPx4欠損細胞では野生型細胞に比べリゾリン脂質への分解活性が高いこと、一方でリゾリン脂質からリン脂質への再アシル化活性は低く、未知の物質に代謝されていることが明らかとなった。
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