vPICは,EBウイルスやサイトメガロウイルスなどの類縁ヘルペスウイルスにも保存されている.本研究ではORF66が,vPIC構成因子として機能しウイルス複製に必須であることはもちろん,ORF66上の複合体形成に必須なアミノ酸残基の同定を介して,複合体形成の分子基盤に関する知見を,類縁ヘルペスウイルス研究に先駆けて得ることができた.vPICは一部ヘルペスウイルスが独自に保有する分子機構で,かつウイルス粒子形成のためのウイルス構造タンパク質発現に必須であることから,有望な創薬標的ともなりうる.さらなるvPIC解析の進展により,新規作用機序の抗ヘルペスウイルス薬の開発につながるものであると考える.
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