• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実績報告書

シャトル分子を介したプロテアソーム活性制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K14913
研究機関公益財団法人東京都医学総合研究所

研究代表者

土屋 光  公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 主任研究員 (90760132)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードタンパク質分解
研究実績の概要

プロテアソームはユビキチン化されたタンパク質を選択的に分解することにより細胞内のタンパク質恒常性の維持に関与している。プロテアソームは「不要なタンパク質分解の場」で静的な分子であると考えられていたが、様々な刺激に応じてダイナミックに変動する動的な複合体であることが明らかとなってきた。我々はプロテアソーム可視化細胞を用いたプロテアソームの動態解析により、高浸透圧刺激によりプロテアソームが液-液相分離によって核内に液滴を形成することを見出した。プロテアソームと一過的に結合する分子群のプロテオミクス解析により、ユビキチン選択的シャペロンp97やシャトル分子RAD23B、ユビキチンリガーゼE6APなど複数のプロテアソーム結合タンパク質を同定した。阻害剤やノックダウン実験により、このプロテアソームの液滴形成はポリユビキチン鎖とプロテアソームへの基質運搬を担うシャトル分子の一つRAD23Bに依存することが明らかとなった。さらに、試験管内の再構成系を用いた解析により、4つ以上のユビキチンが連なったポリユビキチン鎖とRAD23Bの2つのユビキチン結合ドメインによるマルチバレント相互作用によって誘導されることが明確となった。さらにユビキチン化基質を探索したところ、リボソームタンパク質が複数同定された。高浸透圧刺激は核小体ストレスを誘導したことから、リボソーム前駆体に取り込まれなかったオーファンサブユニットがプロテアソーム液滴の主な基質であることがわかった。従って、このプロテアソーム液滴は、ストレスに適応するためのタンパク質分解コンパートメントであることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Stress- and ubiquitylation-dependent phase separation of the proteasome2020

    • 著者名/発表者名
      Yasuda Sayaka、Tsuchiya Hikaru、Kaiho Ai、Guo Qiang、Ikeuchi Ken、Endo Akinori、Arai Naoko、Ohtake Fumiaki、Murata Shigeo、Inada Toshifumi、Baumeister Wolfgang、Fern?ndez-Busnadiego Rub?n、Tanaka Keiji、Saeki Yasushi
    • 雑誌名

      Nature

      巻: 578 ページ: 296~300

    • DOI

      10.1038/s41586-020-1982-9

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Structural insights into ubiquitin recognition and Ufd1 interaction of Npl42019

    • 著者名/発表者名
      Sato Yusuke、Tsuchiya Hikaru、Yamagata Atsushi、Okatsu Kei、Tanaka Keiji、Saeki Yasushi、Fukai Shuya
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 10 ページ: 1-13

    • DOI

      10.1038/s41467-019-13697-y

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ストレス依存的なプロテアソーム液-液相分離2019

    • 著者名/発表者名
      土屋 光
    • 学会等名
      第4回 LLPS研究会
  • [学会発表] Stress and ubiquitylation-dependent phase separation of the proteasome2019

    • 著者名/発表者名
      Tsuchiya, H
    • 学会等名
      EMBO Conference
    • 国際学会
  • [備考] 液-液相分離が担う核内タンパク質分解機構の発見

    • URL

      http://www.igakuken.or.jp/topics/2020/0205.html

  • [備考] 不要なタンパク質が分解を受ける前に解きほぐされる仕組み

    • URL

      http://www.igakuken.or.jp/topics/2019/1213.html

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi