単純ヘルペスウイルス(HSV)ベクターを感染させた培養細胞株のトランスクリプトーム解析の結果、感染後24時間まではUL39遺伝子領域で転写活性が高いこと、およびLAT領域と呼ばれるゲノム領域で転写活性が持続的に保たれることが明らかになった。これを受け、LAT領域またはUL39領域にGatewayカセットを有するHSVベクターを作製した。LAT領域はHSVゲノムの反復配列中にあるため、Gatewayカセットを2コピー挿入できた。また、1回の組換え反応で一度に2コピーの遺伝子を挿入する方法を確立した。持続発現用のベクターは従来のものよりも生物学的力価が高い傾向にあり、遺伝子導入効率も高かった。
|