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2019 年度 実績報告書

プロバイオティクス由来膜小胞の機能解明と制御に基づく炎症性腸疾患の新規治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K14928
研究機関京都薬科大学

研究代表者

森下 将輝  京都薬科大学, 薬学部, 助教 (10811747)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードプロバイオティクス / 膜小胞 / 免疫療法 / ドラッグデリバリーシステム
研究実績の概要

当該年度は、乳酸菌、酪酸菌及びビフィズス菌由来膜小胞の免疫細胞への取り込み機構の解明を行った。その結果、免疫細胞であるマウスマクロファージ様細胞株RAW264.7及びマウス樹状細胞株DC2.4にこれら3種類の膜小胞を添加した際にクラスリン・カベオラエンドサイトーシス、マクロピノサイトーシスを介して取り込まれることが明らかになった。続いて、ビフィズス菌由来細胞膜小胞を蛍光色素で標識後にマウスへ投与し、その体内動態を評価した。その結果、皮内投与されたビフィズス菌由来膜小胞は鼠径リンパ節に集積することが確認された。さらに、投与部位における炎症性サイトカインの発現量が上昇したことから膜小胞が生体において自然免疫の活性化に寄与する可能性が示された。
研究期間全体を通して、本研究で用いたプロバイオティクスはいずれも直径100 nm程度の膜小胞を外部環境へ分泌し、免疫調節作用を有するペプチドグリカンを構成成分として包含することが明らかとなった。さらに、膜小胞が免疫細胞にエンドサイトーシスを介して取り込まれ、その後に免疫調節物質であるサイトカイン産生が増大する傾向が確認された。動物実験からは、投与された膜小胞は主要な免疫器官であるリンパ節へ移行すること、並びに自然免疫を活性化する特性を有することが示された。
これらの成果は、プロバイオティクス由来膜小胞の生物学的意義の解明並びにDDS技術を適用したプロバイオティクス由来膜小胞の高機能化に大きく貢献するものである。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Elucidation of the Characteristics of Probiotic-derived Extracellular Vesicles for their DDS Application2019

    • 著者名/発表者名
      Morishita Masaki、Katsumi Hidemasa、Yamamoto Akira
    • 雑誌名

      MEMBRANE

      巻: 44 ページ: 228~233

    • DOI

      https://doi.org/10.5360/membrane.44.228

    • 査読あり
  • [学会発表] 免疫療法の開発を目的としたビフィズス菌由来細胞外小胞の機能解明2020

    • 著者名/発表者名
      松山 基輝、森下 将輝、勝見 英正、山本 昌
    • 学会等名
      日本薬学会 第140年会
  • [学会発表] Elucidation of the Characteristics of Probiotic-derived Extracellular Vesicles for their Therapeutic Application2019

    • 著者名/発表者名
      Masaki Morishita, Ph.D., Hidemasa Katsumi, Ph.D., Akira Yamamoto, Ph.D.
    • 学会等名
      APSTJ global education seminar 2018-2nd
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] DDSを志向したプロバイオティクス由来細胞外小胞の基礎的特性の解明2019

    • 著者名/発表者名
      森下 将輝、勝見 英正、山本 昌
    • 学会等名
      日本膜学会第41年会
    • 招待講演
  • [学会発表] 免疫療法の開発を目的としたプロバイオティクス由来細胞外小胞の特性解析2019

    • 著者名/発表者名
      森下 将輝、堀田 真帆、松山 基輝、勝見 英正、山本 昌
    • 学会等名
      日本薬剤学会第34年会
  • [学会発表] 各種プロバイオティクス由来細胞外小胞が有する特性の比較検討2019

    • 著者名/発表者名
      堀田真帆、森下将輝、勝見英正、山本 昌
    • 学会等名
      第69 回 日本薬学会関西支部総会・大会
  • [学会発表] DDS を志向したビフィズス菌由来細胞外膜小胞の基礎的特性の解明2019

    • 著者名/発表者名
      松山基輝、森下将輝、勝見英正、山本 昌
    • 学会等名
      第69 回 日本薬学会関西支部総会・大会
  • [学会発表] プロバイオティクス由来細胞外小胞が有する特性の比較検討2019

    • 著者名/発表者名
      森下 将輝、堀田 真帆、松山 基輝、勝見 英正、山本 昌
    • 学会等名
      日本薬剤学会第35年会

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公開日: 2021-01-27  

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